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生理前や生理中の腰痛・骨盤痛を引き起こす4つの原因と対処法

  • 作成日:2019.12.27
  • 更新日:2020.08.24

生理前や生理中に腰のあたりが痛くなることはありませんか?生理に関係して起こる腰痛や骨盤痛は女性ホルモンの変化が原因であることが多いですが、ときには子宮内膜症を患っている可能性もあります。この記事では、生理に関係して起こる腰痛や骨盤痛の原因を解説し、対処法を紹介します。

この記事の監修のドクター

産婦人科専門医 月花瑶子

産婦人科専門医 月花瑶子

北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)

腰痛・骨盤痛を引き起こす4つの原因

腰痛を引き起こす4つの原因

生理前や生理中の腰痛や骨盤痛には、以下のような原因が考えられます。

1)生理痛の原因でもある「プロスタグランジン」

生理が始まると下腹部が痛くなる「生理痛」は、経血を排泄するために子宮の収縮を促す働きをする「プロスタグランジン」が分泌されることが原因です。

プロスタグランジンによって子宮が収縮する際には、下腹部だけでなく腰にも痛みを感じることがあります

生理痛とあわせて腰が痛いという方は、プロスタグランジンの分泌が原因かもしれません。もし、生活に支障が出るほど痛みがひどい場合は「月経困難症」と考えられます。

後ほど解説しますが、痛みがひどい場合は病院に相談しましょう。

(※)月経困難症は「生理痛がひどい「月経困難症」。婦人科での診察と治療について」で解説しています。

PMS(月経前症候群)の症状

2)PMS(月経前症候群)の症状

PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる前の数日間(3〜10日間程度)に情緒不安定やイライラなどの精神的症状や、腹痛や頭痛、胸の張り、そして眠気などの身体的症状が現れることです。

そして、腰痛もPMSの症状の一つです。

生理前から生理が始まる頃にかけて腰痛があり、またそのほかの身体的症状や精神的な症状を感じる方は、PMSへの対策を取ることで腰痛も対処できるかもしれません

(※)PMSについては「PMS(月経前症候群)ってどんな症状?原因や対処法を解説」で解説しています。

子宮内膜症による痛み

3)子宮内膜症による痛み

子宮内膜症を患っていると、下腹部や腰、骨盤などに痛みがあらわれることがあります。この痛みは生理周期に合わせて変化し、特に生理前や生理中に悪化します。

子宮内膜症は主に卵巣や子宮などに発症し、のう胞(分泌物が袋状に貯まる病態のこと)を作ったり、その周囲の腸と癒着する原因になります。

特に、「ダグラス窩(か)」と呼ばれる子宮と直腸の間のくぼみに子宮内膜症が存在すると、生理前や生理が始まった際に腰痛があらわれます

子宮内膜症が疑われる場合、まずは病院で診察してもらうことが大切です。

慢性的な骨盤痛は「骨盤内うっ血症候群」の可能性も

4)慢性的な骨盤痛は「骨盤内うっ血症候群」の可能性も

骨盤内うっ血症候群は、骨盤部の静脈が太くなって蛇行し、その部分に血液がたまることで引き起こされます

特徴としては、一日中座ったままでいたり、立ったままでいたりするとその後に痛みがひどくなり、横になると痛みが和らぐ、またセックスをするとき、した後などに痛みがひどくなる、などが挙げられます。

生理前や生理中の骨盤痛は、この骨盤内うっ血症候群が原因となっていることが考えられます。骨盤内うっ血症候群が疑われる場合、まずは病院で診察してもらうことが大切です。

生理前・生理中の腰痛を改善する3つのセルフケア

腰痛・骨盤痛対策の3つのセルフケア

ここまで生理前や生理中の腰痛・骨盤痛のときに考えられる4つの原因を紹介しました。しかし、なかなかどの原因のせいなのか自分では判断が難しいと思います。

もし、まだ我慢できる程度であれば、以下で紹介する3つのセルフケアからはじめてみましょう。

(1)冷え対策

生理に伴って分泌される「プロスタグランジン」が原因で腰痛が起こっているのであれば、体が冷えないように気をつけ、血流を良くすることは大切です。

「プロスタグランジン」は子宮を収縮させる働きがある物質です。血流が悪いと、子宮が収縮する働きが低下するため、収縮の働きを促そうとプロスタグランジンの分泌量は増えます。

ですから、痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌量を抑えるためにも、体を温めて血流を良くすることは大切です。

生理前や生理中は、腰や下腹部を冷やさないようにしましょう。椅子に座っているときはブランケットを腰に巻いたりカイロを貼ったりすると良いかもしれません。

腰回りや足の付け根あたりをゆっくり動かして、ストレッチしましょう。

(2)ストレッチ

腰回りや足の付け根あたりをゆっくり動かして、ストレッチしましょう。

生理前や生理中は様々な不調が出て、なかなか運動をする気にはなれないかもしれません。しかし、じっとしていると血流は悪くなるため、ゆっくりで良いので体を動かして血流を良くしましょう。

冷え対策やストレッチは、「すでにやってるけど……」という方が多いかもしれません。そんなときは、漢方薬も対処法の一つです。

(3)漢方薬

冷え対策やストレッチは、「すでにやってるけど……」という方が多いかもしれません。そんなときは、漢方薬も対処法の一つです。

漢方薬には生理前や生理中の症状に合わせていくつか種類があります。興味があれば、漢方薬局に相談をしてみると良いでしょう。

腰痛や骨盤痛がひどい場合は病院へ

腰痛や骨盤痛がひどい場合は病院へ

腰痛や骨盤痛がひどい場合は婦人科へ

冷え対策やストレッチなど、セルフケアの方法を4つ紹介しましたが、なかなかセルフケアでは腰痛が解決しない方も多いでしょう。

また、生理中の腰痛が過度にひどいのであれば「月経困難症」の可能性や、生理前であればPMS(月経困難症)、または子宮内膜症や骨盤内うっ血症候群が原因で痛みが引き起こされている可能性も考えられます。

このような場合は、婦人科で医師に相談することが大切です。

生理痛や生理前のPMSを解消する「低用量ピル」

生理痛や生理前のPMSを解消する「低用量ピル」

腰痛や骨盤痛の原因が月経困難症やPMSだと考えられる場合は、低用量ピルの服用は対処法の一つです。

低用量ピルは、生理に関連する様々な症状を緩和することができます。ピルと聞くと「避妊薬」のイメージが強いかもしれませんが、実は月経困難症やPMS(月経前症候群)の症状緩和などの効果もあります。

もし、毎月のように生理前や生理中の腰痛で悩んでいるのであれば、婦人科でピル処方の相談をしてみると良いでしょう。

(※)低用量ピルについては「ピル服用の効果は?避妊だけじゃないピルの効果を丁寧に解説」で解説しています。

子宮内膜症の疑いがあれば早めに医師に相談を

子宮内膜症・骨盤内うっ血症候群は早めの治療が大切

毎月のように腰痛や骨盤痛に悩み、また生理痛(下腹部の痛み)排便痛性交痛などがある場合は子宮内膜症の可能性があります。

子宮内膜症は珍しいものではなく、特に20代から30代の女性に多く見られます。いくつかの調査から、生理(月経)のある女性の数%~10%程度が子宮内膜症を患っていると推定されています(*2)。

(*2)日本子宮内膜症協会 子宮内膜症とは? 2.子宮内膜症ってどんな病気

子宮内膜症は腰痛や腹痛などの症状によって日常生活に支障がでるだけでなく、不妊の原因にもなります。妊娠を希望されている方は、子宮内膜症の疑いがあれば早めに医師に相談しましょう。

また、子宮内膜症ではなく骨盤内うっ血症候群の可能性もあります。このような疾患がないかどうか、痛みがひどい場合は病院で診てもらうことが大切です。

以上、生理前や生理中の腰痛・骨盤痛の原因と対処法を解説しました。ちょっとした腰痛であれば、冷え対策などのセルフケアで痛みを緩和することはできるかもしれません。

ただし、月経困難症やPMS、子宮内膜症や骨盤内うっ血症候群の場合は、診察を受けて適切な対処をすることが大切です。毎月のように腰痛や骨盤痛で悩むようであれば、一度お近くの婦人科に相談してみましょう。

この記事の著者

吉川 雄司

著書「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)。生殖機能に関する正しい知識の普及、妊活・不妊治療に取り組む方のサポートを目的とした事業を運営する株式会社ヘルスアンドライツの代表取締役。日テレやTBSなどの番組出演、新聞やメディアへの掲載多数。

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