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ピル服用の効果は?避妊だけじゃないピルの効果を丁寧に解説

  • 作成日:2019.11.07
  • 更新日:2020.05.31

ピルは避妊の成功率が非常に高いだけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)の症状の緩和など、女性の生理の悩みを解決してくれる効果もあります。この記事では、ピルを服用することで期待できる効果を丁寧に解説します。

この記事の監修医師

産婦人科専門医 月花瑶子

産婦人科専門医 月花瑶子

北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)

ピルの避妊効果は高い

ピルの避妊効果は高い

正しく服用すれば避妊の成功率は99.7%

ピルの服用効果としてよく聞かれるのは「避妊」ではないでしょうか。ピルは避妊にとても効果的で、正しく服用すれば避妊の成功率は99.7%にものぼります。

ピルの服用で避妊の成功率が高くなる理由は大きく以下の3点です。

1)卵胞の成長を促進するホルモンの分泌が抑えられ、排卵が起こらない
2)子宮内膜の成長を促進するホルモンの分泌が抑えられ、着床しにくくなる
3)子宮頸管(子宮の入り口)から出る粘液の質が変化し、精子が侵入しにくくなる

つまり「(1)排卵が起こらないため、そもそも精子が出会う卵子がない」ことに加え、「(2)(3)精子が侵入しづらく、着床しにくい体内環境になる」ため、妊娠する確率がほぼゼロに近づくのです。

ピルをやめれば妊娠できるようになる

ピルをやめれば妊娠できるようになる

「ピルを服用していると、将来的に妊娠できなくなったりしないかな?」と不安に思う方がいるかもしれませんが、心配はいりません。ピルを飲み続けたとしても、服用をやめれば通常通りに排卵が起こるようになり、妊娠できる状態に戻ります。

ピルの避妊効果については「コンドームだけじゃない?女性を守る、ピルの服用について」でも詳しく説明しているので是非ご一読ください。

避妊以外のピルの服用メリット

避妊以外のピルの服用メリット

ピルの服用で期待できる効果一覧

  • 生理痛(月経困難症)やPMS(月経前症候群)の症状緩和
  • 経血量の減少と出血期間の短縮
  • 月経不順(生理不順)の改善
  • 生理日のコントロール
  • 子宮内膜症の予防や症状緩和
  • 卵巣ガンや子宮体ガンなど婦人科系疾患の予防
  • ニキビの改善

以下では、それぞれの効果について、一つずつ説明します。

ピルの効果:生理痛(月経困難症)やPMS(月経前症候群)の症状緩和

生理痛(月経困難症)の症状緩和

生理痛の症状緩和はピルの代表的な効果の一つです。

生理痛の原因の一つは、排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)です。ですから、ピルによって排卵を止めることで、生理痛を緩和することができます

生理中の腹痛に苦しむ方は、生理のある女性の約8割とも言われています。鎮痛剤を飲んでも腹痛が和らがず、痛みで立ち上がれなかったり、学校や会社に行くのが辛くなってしまったりする方にとって、ピルは症状の緩和を期待できます

ひどい生理痛でお悩みの方は、こちらの記事「生理痛がひどい「月経困難症」。その症状と対処法を丁寧に解説」をあわせてご一読ください。

PMS(月経前症候群)の症状緩和

また、ピルはPMS(月経前症候群)と呼ばれる症状(生理前のイライラや情緒不安定、腹痛・頭痛やだるさなど)緩和にも効果があります

PMSの原因はいまだに解明されていませんが、「妊娠中はPMSの症状は出ない」ことが分かっています。ピルは女性ホルモンが配合されているのですが、実はピルは配合されている女性ホルモンによって、服用中は妊娠中と似たようなホルモンバランスになります。ですから、ピルの服用によって、PMSの症状を緩和することが期待できます。

詳しい解説は「ピルを飲めばPMSの悩みは解消できる?PMS対策としてのピルについて」をご覧ください。

生理前・生理中の症状に悩んでいる方は、ピルの服用を考えてみてはいかがでしょうか。

ピルの効果:生理痛(月経困難症)やPMS(月経前症候群)の症状緩和

経血量の減少と出血期間の短縮

ピルを服用すると排卵は起こらなくなりますが、生理と同様の経血は出ます。ただ、ピルを服用すると、経血量は少なくなり、出血する期間も2~4日に短縮できます。経血は、剥がれた子宮内膜が血液となって出てきたものなのですが、ピルは子宮内膜の成長を抑える働きがあるため、経血量が少なくなるのです。生理中の貧血に悩む方にとっても、ピルの服用は効果があります。

月経不順(生理不順)の改善

ピルは28日間を1サイクルとして服用し、決まった期間に生理が来るため、生理周期が安定します。

生理日のコントロール

また、一時的に生理日を遅らせたり早めたりしたい場合もピルを服用して生理日をコントロールできます。ピルによって生理を遅らせたり早めたりする方法はこちらの記事生理日をずらしたい!生理を遅らせる、または早める方法を解説をご覧ください。

子宮内膜症の症状を緩和したり進行を防ぐ

子宮内膜症の症状を緩和したり進行を防ぐ

ピルは、不妊の原因にもなる「子宮内膜症」の症状を緩和したり、進行を防ぐことができます。子宮内膜症の症状の一つに「激しい生理痛」があります。ピルは生理痛の原因となる黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を抑えるため、痛みを緩らげることができます。また、子宮内膜症は排卵を伴う月経の回数に従って進行します。ピルを服用すると排卵が止まるので、子宮内膜症の進行を抑制することが期待できます。

卵巣ガンや子宮体ガンなど婦人科系疾患の予防

排卵が抑制され、卵巣の状態を常に良好に保てることでで卵巣ガンのリスクを下げ、同時に子宮内膜の形成も緩和されるために子宮体ガンのリスクも低下させることが分かっています。

ニキビの改善

ニキビの改善

通常生理があって排卵をしていると、排卵後に主に分泌されるプロゲステロンというホルモンの作用によりその時期に皮脂の分泌が促進されニキビができやすくなります。生理周期によるこのようなホルモンバランスの変化によってニキビができやすいタイプの人は、ピルを内服することで、排卵が起きないことでニキビの出現を抑えることができます。

ピルの基礎知識

ピルの基礎知識

ピルを服用することで期待できる効果を説明しましたが、そもそもピルとはどういう薬なのかご説明します。

ピルの主流は低用量ピル

ピルとは、女性ホルモンを配合した錠剤です。含まれているのは「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類で、前者の「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の含有量によって「高用量ピル」「中用量ピル」「低用量ピル」と種類が分かれます。

高用量・中用量ピルは女性ホルモンが関連する病気や不妊治療、月経移動(月経のタイミングをピルの服用によって意図的にずらすこと)のために一時的に使用されることが多く、避妊や生理に関連した軽い症状の治療には低用量ピルが用いられます。高用量であるほど副作用が強く出てしまうため、現在では低用量ピルの処方が主流となっています。

※ピル服用の副作用についてはこちらの記事「ピルって大丈夫?ピルの副作用について丁寧に解説」をご一読ください。

21錠タイプはホルモンが配合されている21錠がセット

ピルの服用は1日1錠、28日間で1サイクル

ピルは28日間を1サイクルとし、1日1錠を服用します。処方されるピルは21錠タイプ28錠タイプがありますが、両者の違いは以下の通りです。

21錠タイプは、ホルモンが配合されている21錠がセットになっています。

服用を始めた日から21日間は1日1錠を飲み、22日目から1週間は服用を休止します。服用を休止すると生理が始まります。休止期間を終えたら、また服用を再開するサイクルです。

28錠タイプはホルモンが配合されている21錠とホルモンが配合されていない偽薬(プラセボ錠)7錠が1セット

28錠タイプは、ホルモンが配合されている21錠と、ホルモンが配合されていない偽薬(プラセボ錠)7錠が1セットになっています。21日目まではホルモン錠を、22〜28日目は偽薬を毎日1錠服用します。

偽薬を服用している期間に生理が始まり、28錠を服用し終えたらホルモン剤の服用を再開します。28錠タイプはサイクルを意識しやすくするために用意されているだけですので、21錠タイプと効果が変わるわけではありません。

ピルを処方してもらうには

ピルを処方してもらうには

ピルはどこで処方してもらえる?

ピルは婦人科のクリニックで処方してもらえます。Webで「ピル外来+お住まいのエリア」を検索すると、ピルを処方してくれる婦人科クリニックの情報を得られるはずです。

クリニックでの処方の流れは?

クリニックでは、ピルの処方の前に問診が行われます。問診では、服用のリスクを判断するため、喫煙の習慣があるかどうかや、過去に婦人科系の疾患にかかったことがあるかどうかなどを質問されます。問診に加え、必要に応じて採血を実施したり、ピルの服用方法についての説明を受けたりして、ピルを処方してもらえます。

ピルの値段や相場は?保険は適用されるの?

ピルの値段や相場は?保険は適用されるの?

ピルの費用はクリニックによりますが、初回は初診料を含めて5000~8000円程度、継続処方の相場は1ヵ月分で3000円前後であることが多いです。

ピルは避妊や生理日のコントロールが目的であれば保険適用外となりますが、月経困難症や子宮内膜症など、婦人科系の病気治療を目的として処方が認められる場合は保険が適用できることがあります。クリニックには念のため保険証を持参し、医師に相談すると良いでしょう。

婦人科の選び方は「どこに行けばいいの?婦人科を選ぶときの3つのポイント」で紹介しているので、よければ参考にしてください。

この記事の監修医師

産婦人科専門医 月花 瑶子

産婦人科専門医月花 瑶子

資格
医学博士
産婦人科専門医
経歴

2013年

北里大学医学部医学科卒業

2013年

日本赤十字医療センター

2015年

母子保健センター愛育病院
帝京溝の口病院 産婦人科

2016年

国立成育医療研究センター 不妊診療科

2018年

杉山産婦人科

所属
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
日本女性医学学会

この記事の著者

吉川 雄司

著書「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)。生殖機能に関する正しい知識の普及、妊活・不妊治療に取り組む方のサポートを目的とした事業を運営する株式会社ヘルスアンドライツの代表取締役。日テレやTBSなどの番組出演、新聞やメディアへの掲載多数。

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