妊娠しているのかどうか気になるとき、婦人科ではなく自分でも検査できるのが「妊娠検査薬」です。ドラッグストアやECサイトで手軽に購入でき、使い方も簡単です。この記事では、妊娠検査薬をまだ使ったことがない方のために、使い方のポイントや、使用するタイミングについて解説します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
妊娠検査薬とは
妊娠していたら分泌されるホルモンをチェックできる
妊娠検査薬は、妊娠しているかどうかを判定できるスティック型の薬品です。自宅用の尿検査キットのようなもので、妊娠していたら分泌されるホルモンを検知できます。
妊娠していたら「hCG(エイチシージー)」と呼ばれるホルモンが分泌されます。そのホルモンが増えると尿にも含まれるようになります。
妊娠検査薬で妊娠判定ができる仕組み
妊娠検査薬の先の「採尿部」と呼ばれる部分に尿をかけることで、「hCG(エイチシージー)」が含まれているかどうか、つまり、妊娠しているかどうかを判定できます。
これが妊娠検査薬で妊娠判定ができる仕組みです。
妊娠検査薬はいつ使えばいいの?
生理予定日の1週間後が目安
検査するタイミングの目安は「生理予定日の一週間後」です。なぜなら、生理予定日の1週間後ぐらいにならないと、妊娠検査薬で判定できるレベルまで「hCG」の量が増えないからです(*1)。
生理予定日が分からないときは「性行為の3週間後」
ただし、なかには生理不順や、いつもの生理周期を把握しておらず、そもそも「生理予定日」が分からないという方もいるでしょう。
その場合は、「妊娠したかもしれないな」と思う性行為をした日の3週間後を目安に妊娠検査薬を使用しましょう。もし妊娠していれば、3週間から遅くとも4週間後には妊娠判定が出ます。
妊娠検査薬の使い方
トイレで尿を数秒かけるだけ
妊娠検査薬は上の画像のようなスティック型です。種類にもよりますが、日本製の妊娠検査薬であればどれも同様の形をしています。
妊娠検査薬の使い方はとても簡単です。トイレにいき、妊娠検査薬の先にある「採尿部」と呼ばれる部分に尿をかけるだけです。(または、紙コップなどに尿をいれ、採尿部をひたす方法もあります)
陽性反応 = 妊娠している
妊娠検査薬に尿をかけ、しばらくすると判定結果がでます。妊娠検査薬の多くは「判定線」と呼ばれるラインの有無で「陽性(妊娠している)」「陰性(妊娠していない)」が結果として表示されます。
妊娠検査薬を使うときは、購入した妊娠検査薬に添付されている説明書をちゃんと読んでから使用しましょう。適切な方法で使用しないと判定が正しくでません。
妊娠検査薬の購入方法
ドラッグストアやECサイトで購入できる
妊娠検査薬は「第2類医薬品」で、ドラッグストアやECサイトで購入できます。価格は二本セットで600円〜800円程度です。
海外製は輸入通販サイトで購入できる
妊娠検査薬には日本製と海外製があり、海外製には2つの特徴があります。
1)価格が安い
2)生理予定日頃でも判定がでる
価格が安く、そして日本製よりも早く判定がでると聞くと、こちらの方が良い気がするかもしれません。
ただし、使い勝手が日本製に比べると劣ることや、早い時期の判定は精度が落ちることもあるため、そのような点を日本製と比較しながら選ぶと良いでしょう。
日本製や海外製の妊娠検査薬については「【比較解説】おすすめの妊娠検査薬8選!早期妊娠検査薬や海外製の解説付き」で解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
早めに検査できる「早期妊娠検査薬」もある
輸入品は「生理予定日頃」でも判定が可能と解説しましたが、日本製でも「早期妊娠検査薬」を使えば「生理予定日頃」に判定が可能です。
早期妊娠検査薬は、一般的な妊娠検査薬よりも感度が高く、「hCG」の量が少なくても判定することが可能です。
薬剤師のいるドラッグストアで購入できる
ただし、早期妊娠検査薬は薬剤師がいるドラッグストアでしか購入できません。また、ドラッグストアで購入できる日本製の早期妊娠検査薬は「チェックワンファスト」しかありません。
購入を希望される方はこちら(チェックワンの取り扱い店舗リスト)からお近くのドラッグストアを確認し、事前に店頭に置いているか問い合わせをしたほうが良いでしょう。
陽性反応が出たら産婦人科へ
陽性反応が出たら産婦人科へ
妊娠検査薬で陽性反応がでたら、産婦人科に行きましょう。産婦人科でも、尿検査や採血によってあらためて妊娠判定を行います。
その検査でも陽性反応が出て、かつ、妊娠5週目頃(生理予定日の1週間後頃)を過ぎている場合は、併せて子宮内に「胎嚢」という赤ちゃんの袋が見えるかどうかをエコーで確認します。
婦人科にいくタイミング
妊娠検査薬で陽性反応が出てすぐに受診をしても、診察ではまだ胎嚢を確認できないことがあります。
ですから、市販の検査薬を使用して陽性反応が出てから1〜2週間後に受診するのが、エコーによる胎嚢確認もできるため適切なタイミングです。
気をつけたいポイント
妊娠判定前でも、妊娠の心当たりがあるのであれば、飲酒やタバコは控え、服薬には注意してください。
また、妊娠の可能性があり、併せて強い下腹部痛や性器から出血があるなどの症状があれば、どのタイミングでも躊躇(ちゅうちょ)せず産婦人科を受診しましょう。子宮外妊娠などが起こっている可能性があります。
以上、この記事では妊娠検査薬の使い方や、タイミングについて解説しました。妊娠検査薬を検索すれば種類もたくさん出てきて迷うかもしれません。こちらの「【比較解説】おすすめの妊娠検査薬8選!早期妊娠検査薬や海外製の解説付き」では、日本製や海外製の検査薬について比較解説をしています。ぜひ、あわせてご覧ください。