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不正出血は妊娠のサイン?生理前の出血について

  • 作成日:2019.12.15
  • 更新日:2020.09.24

「生理前に不正出血があれば妊娠のサイン」と聞いたことがあるかもしれません。これは「着床出血」と呼ばれる受精卵が子宮内膜に着床したときに起こる不正出血です。この記事では、妊娠していたら起こる不正出血(着床出血)について、その仕組みや妊娠しているかどうか判断する方法を解説します。

この記事の監修医師

産婦人科専門医 月花瑶子

産婦人科専門医 月花瑶子

北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)

生理前の不正出血は妊娠のサイン?

生理前の不正出血は妊娠のサイン?

不正出血とは

そもそも不正出血とは、「生理と異なるタイミングで性器から出血すること」です。ストレスなどによるホルモンバランスの乱れや、排卵日前後のホルモンバランスの変化が原因で起こることもあれば、子宮にポリープができるなどの婦人科系疾患が原因で起こることもあります。

そんな不正出血の一つに、妊娠したときに出血する「着床出血」と呼ばれるものがあります。

妊娠の可能性を示す不正出血「着床出血」とは

妊娠の可能性を示す不正出血「着床出血」とは

精子と卵子が合体した「受精卵」が子宮の内側の膜(子宮内膜)にくっついて潜り込むことを着床と呼びます。受精卵が子宮内膜に潜り込むときに、子宮の小さな血管を傷つけてしまい、少量の出血が起こることがあります。これを「着床出血」と呼びます。

しかし、妊娠したからといって必ず着床出血が起こる訳ではありません。データにばらつきはありますが、妊娠した人の8%〜25%に着床出血が起こると言われています(*1)。

(*1)NEWエッセンシャル産科学・婦人科学第3版, 327p, 医歯薬出版, 2004

着床出血は生理前に起こることが多い

着床出血は生理前に起こることが多い

着床出血は、生理予定日の1週間前から予定日までの間に起こることが多く、2〜3日で出血は止まります

出血量は少量で、色は鮮血(鮮やかな赤色)のこともあれば茶色いこともあります。おりものに混じって出てくる場合、おりものが薄いピンク色や茶色に見えることもあります。

着床出血のこのような特徴から、生理前の不正出血は妊娠のサインとして考えられるのです。

(※)着床出血がでるタイミングは「着床出血が出るのはいつ?時期や量など月経と見分けるポイントを解説」でも解説しています。

「妊娠した」と判断することはできない

「妊娠した」と判断することはできない

ただし、着床以外の理由で起こる不正出血と見分けることは難しいため、生理前に不正出血があるからといって「妊娠した」と判断することはできません。また、先ほど説明したとおり、妊娠した際に着床出血が見られるのは8%~25%と多いわけではないのです。

ですから「妊娠したら、生理予定日前に不正出血が出ることもある」という程度に理解しておくのが良いでしょう。

では、生理前の不正出血(着床出血)以外に「妊娠したときに現れる症状」もご紹介します。

不正出血以外の妊娠初期症状

不正出血以外の妊娠初期症状

妊娠超初期症状・妊娠初期症状とは

妊娠のサインとして現れる症状を「妊娠超初期症状」や「妊娠初期症状」と呼びます。そもそも、妊娠超初期・初期とはいつのことでしょうか。

妊娠超初期とは「妊娠0週〜4週」妊娠初期は「妊娠5週〜15週」を指します。

妊娠期間の数え方は、妊娠した月の生理が始まった日を「妊娠0週1日」と数えます。生理周期が28日の場合は生理が始まって14日目頃(妊娠2週)に排卵が起こり、受精した場合は約6日後に着床します。

ですから、着床したタイミングではすでに「妊娠3週」となりため「着床出血 = 妊娠超初期症状」と言えます。

(※)「妊娠超初期」という言葉は医学的には存在しません。一般的に使われることがある俗語です。

着床がきっかけで起こる不正出血は妊娠3週目〜4週目に起こる「妊娠超初期症状」と言えます

症状は人によって様々

以下は、妊娠超初期・初期の症状一覧です。

  • 吐き気
  • 食欲や味覚、嗅覚の変化
  • 眠気や体のだるさを感じる
  • イライラ、不安、落ち込みなど
  • おりものの量が増える
  • 微熱
  • 乳房の張りや乳首の痛み
  • 便秘、お腹の張りや腹痛
  • 頭痛やめまい
  • 腰痛
  • 頻尿
  • むくみ

妊娠の超初期や初期に見られる症状を列挙しましたが、どのような症状が出るかは人それぞれです。複数の症状がある人もいれば、ほとんど何も症状として出ない方もいます。

ですから、妊娠したかどうかの確認は妊娠検査薬を使う、または産婦人科で妊娠判定の検査を受けましょう。

(※)妊娠超初期症状、妊娠初期症状については「【解説】妊娠したときの妊娠超初期・初期の症状一覧」で詳しく紹介しています。

妊娠しているかどうか判断する方法

妊娠しているかどうか判断する方法

妊娠検査薬は生理予定日の1週間後

妊娠検査薬は、ドラッグストアなどで購入できるスティック型の検査キットです。スティックの先端部分に尿をかけ、尿に含まれるホルモンを測ることで妊娠しているかどうか判定できます。

妊娠検査薬を使用するタイミングは、多くの検査薬が「生理予定日の1週間後以降」を推奨しています。これは、生理予定日の1週間後を過ぎないと妊娠しているかどうかを判断するためのホルモンを検査薬が検知できないためです。

ただし、薬局で薬剤師から購入する早期妊娠検査薬を使用すれば、生理予定日頃に検査をすることも可能です。

妊娠検査薬については「【比較解説】おすすめの妊娠検査薬8選!早期妊娠検査薬や海外製の解説付き」で紹介しています。ぜひご覧ください。

産婦人科での妊娠判定検査

産婦人科での妊娠判定検査

妊娠検査薬で「陽性( = 妊娠)」と判定が出た場合は、産婦人科でより正確な検査を受けてください。市販の妊娠検査薬の正確性も100%ではないため、ときには判定が間違っていることもあります。

気をつけたい「流産」の可能性

気をつけたい「流産」の可能性

妊娠した人のうち15%は流産してしまう

生理前の不正出血については「着床出血」の可能性があると説明しましたが、他にも考えられる原因があります。それは、「流産」の可能性です。悲しいことですが、流産は決して珍しいことではありません。

以下のグラフは、年齢別の自然流産の確率を表したものです(*2)。女性の年齢が20代でも約10%~12%の確率で流産しており、30代では約15%〜25%を超えていることが分かります。

年齢別の自然流産の確率

(*2)Nybo Andersen AM1, Wohlfahrt J, Christens P, Olsen J, Melbye M. Maternal age and fetal loss: population based register linkage study.

(※)自然流産:人工の妊娠中絶をせずに、妊娠22週より前に妊娠が終わること

流産が原因で出血している可能性もある

流産が原因で出血している可能性もある

不正出血の量が少量であれば心配はありませんが、量が多かったり腹痛がひどい場合は流産の可能性もあります。流産にはいくつか種類があります。

・流産の一歩手前「切迫流産」

切迫流産は、「流産」になる可能性がある状態です。そのまま妊娠を継続できる可能性もあります。自覚症状としては、少量の出血や腹痛です。もし妊娠の可能性があり、このような症状があれば産婦人科で診察を受けてください。

・初期流産(化学的流産)

妊娠検査薬や病院の妊娠判定で陽性反応(=妊娠反応)が出たものの、超音波検査で妊娠が確認できる前に流産してしまった状態です。症状としては、生理のように出血するだけですので、妊娠判定を行なっていなければ流産であることに気づかず、「生理が来た」と勘違いすることもあります。受精卵の染色体異常が原因で起こる流産で、特に治療は必要ありません。

・稽留流産

出血や腹痛といった自覚症状はありませんが、これも流産の一つです。稽留流産は、超音波検査によって子宮内に胎児(胎芽)は確認できたものの、妊娠8週目頃になっても心拍が確認できず発育が停止している状態です。しばらく待機していると自然排出されることもありますが、排出されない場合は子宮内容除去術という治療を行います。

・進行流産

出血がはじまり、子宮内容物が外に出てきている状態です。多量の出血と強い腹痛が症状として現れます。進行流産は「完全流産」と「不全流産」に分けられます。

完全流産は子宮内容物がすべて自然に出てしまった状態で、すでに出血や腹痛などは治まっていることが多いです。診察後は経過観察で対処することが多いですが、場合によっては子宮収縮剤投与を追加することもあります。

不全流産は子宮内容物の一部が子宮内に残っている状態です。出血・腹痛が続いていることが多く、処置としては子宮内容除去手術などを行います。

以上、生理前の不正出血と妊娠の関係について解説しました。着床がきっかけで起こる出血もあれば、流産が原因で出血することもあります。また、妊娠に関係なく、婦人科系の疾患が原因で出血している可能性も考えられます。ですから、不正出血があり不安を感じたら、早めに医師に相談してください。

この記事の監修医師

産婦人科専門医 月花 瑶子

産婦人科専門医月花 瑶子

資格
医学博士
産婦人科専門医
経歴

2013年

北里大学医学部医学科卒業

2013年

日本赤十字医療センター

2015年

母子保健センター愛育病院
帝京溝の口病院 産婦人科

2016年

国立成育医療研究センター 不妊診療科

2018年

杉山産婦人科

所属
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
日本女性医学学会

この記事の著者

吉川 雄司

著書「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)。生殖機能に関する正しい知識の普及、妊活・不妊治療に取り組む方のサポートを目的とした事業を運営する株式会社ヘルスアンドライツの代表取締役。日テレやTBSなどの番組出演、新聞やメディアへの掲載多数。

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