生理が遅れると不安になりますよね。なかには病気や避妊の失敗が心配になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、生理が遅れる原因について解説するとともに、病院に行く目安を紹介します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
- 生理が遅れるときに考えられる4つの原因
- 生理が遅れる原因① ホルモンバランスの乱れ
- 生理が遅れる原因② 何らかの疾患にかかっている
- 生理が遅れる原因③ピルの服用をやめた
- 生理が遅れる原因④妊娠した
- 生理不順で病院にいく目安
生理が遅れるときに考えられる4つの原因
生理が遅れると心配になりますよね。生理が遅れたときに考えられる原因としては以下の4つのパターンが考えられます。
原因1. ストレスによるホルモンバランスの乱れ
原因2. 何らかの疾患にかかっている
原因3. ピルの服用をやめた
原因4. 妊娠した
多くの場合はストレスによるホルモンバランスの乱れですが、なかには何らかの疾患が原因なこともあります。ホルモンバランスの変化によって数日遅れることはよくありますが、7日以上ずれるような周期が何度も続くようであれば少し心配です。
それぞれの原因について、一つずつ解説していきます。
生理が遅れる原因①ホルモンバランスの乱れ
ストレスがホルモンバランスの乱れに繋がる
生理が遅れるとき、多くの場合はホルモンバランスが乱れることが原因です。精神的または身体的なストレスがあると、それによって生理に関係する女性ホルモンのバランスが崩れてしまい、生理が遅れたり、生理周期が乱れることがあります。
精神的・身体的なストレスを感じる例
例えば、以下のようなことがあるとホルモンバランスの乱れ、生理が遅れることがあります。
・人間関係の悩み(学校や職場など)
・環境の変化(学校のクラス替えや転向、転職など)
・生活習慣の乱れ(夜更かしなど)
・体の疲労
・過度なダイエット(急激な体重減少など)
日頃から生理周期日数の変化をチェックしておくと生理不順に気づくことができ、ホルモンバランスが乱れる原因がないか生活を振り返るきっかけになります。生理周期をアプリや手帳などに記録しておくと良いでしょう。
例えば、無料で使える生理管理アプリのケアミーは、生理日を登録しておけば過去の生理周期の日数や、周期日数のズレもパッとみてチェックできます。
ケアミーは産婦人科医監修の安心できるアプリで、アプリ容量は軽く、また会員登録なしでも使いはじめられます。ぜひ一度、ダウンロードしてお試しください。
思春期や更年期はホルモンバランスが不安定
覚えておきたいのは、思春期や更年期はホルモンバランスに変化が起こるため、生理が遅れるなど生理不順になりやすいということです。もし10代や40代後半であれば、生理が遅れるなどの生理不順であっても、あまり心配はありません。
生理が遅れる原因②何らかの疾患にかかっている
何らかの疾患があると生理が遅れるだけでなく、生理がくる頻度が少なくなったり、逆に生理が頻繁にくるようになったりします。以下では、生理が遅れたり、生理周期が乱れる場合に考えられる疾患をパターン別に紹介します。
生理の周期日数が長すぎる場合
生理の周期日数が長い、つまり生理がくる頻度が少ない場合は少し注意しましょう。目安としては、前回の生理がきた日から今回の生理が来た日の前日までの期間(生理周期)が39日以上の場合です。正常な生理の周期日数は25日〜38日で、39日以上の場合は「希発月経(きはつげっけい)」と呼ばれます。
「希発月経」の原因として疑われる疾患は、「無排卵周期症」や「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」があります。
また、「高プロラクチン血症」や、ごく稀ではありますが、「早発閉経(早発卵巣不全)」といって通常は50歳前後で起こる閉経が若くして起こることの前兆である可能性もありえます。
生理周期が安定しない場合
生理が7日以上遅れたり早まったりと、生理周期が一定ではない症状を「不整周期月経」と呼びます。この場合も、上記に説明した「多嚢胞性卵巣症候群」の疑いがあります。
生理の周期日数が短すぎる場合
一方で、生理の周期日数が短い、つまり生理が頻繁にくる場合も注意しましょう。目安としては、生理周期が24日以下の場合で、「頻発月経(ひんぱつげっけい)」と呼ばれます。
頻発月経の原因として疑われる疾患は、「黄体機能不全」や「無排卵周期症」です。これらは不妊症や流産の原因になることがあります。
生理が遅れる原因③ピルの服用をやめた
避妊や月経困難症などの治療目的で低用量ピルを服用していた方が、ピルの服用をやめた後に生理不順になることがあります。それまでピルによってコントロールされていたホルモンバランスに変化が起こるためです。
また低用量ピルを服用しはじめれば周期は安定するようになるため、生理不順によって私生活に支障があるようであれば服用の再開を検討してみましょう。
生理が遅れる原因④妊娠した
妊娠した場合も生理が来なくなるため、最初は「生理が遅れている」と思うでしょう。妊娠の可能性があるのなら、市販の妊娠検査薬を使用するか、産婦人科での妊娠判定検査を受けることをお勧めします。
基礎体温を日頃から計測して記録している方は、体温の変化を見てみましょう。排卵後に上がった体温が計測して高いままであれば、妊娠の可能性があります。
妊娠のチェック方法は「生理がこない…もしかして妊娠?妊娠の初期症状とチェック方法を解説」で解説しています。あわせてご覧ください。
生理不順で病院にいく目安
生理不順で病院にいく3つの目安
ピルや妊娠に心当たりがなく、ストレスの解消によっても生理不順が改善されない場合、以下のような方は病院での受診をお勧めします。
- 毎回、生理周期が短すぎる(24日以下) or 長すぎる(39日以上)
- 生理が3ヶ月以上きていない
- 生理周期がいつも不規則で一週間以上のズレがある
このような方はストレスによるホルモンバランスの乱れによる生理不順ではなく、何らかの疾患が原因となっている可能性が考えられます。
生理不順に対する病院での診療内容
婦人科で生理不順の相談をすれば、普段の生理周期や経血の出る量、期間などについての問診を受けます。前回、前々回の生理について答えられるようにしておくと良いでしょう。
問診の他には、採血によって生理に関係するホルモン数値に問題がないかなどをチェックしたり、生理不順の原因として子宮の病気などが考えられる場合には内診(超音波検査など)を行ったりします。
もし、基礎体温表をつけている場合は持参しましょう。基礎体温の変化をチェックすることは、生理に関係する女性ホルモンの変化や排卵が起こっているかを推測する方法の一つだからです。ただし、基礎体温表の用意がなくても診察は受けられますので心配はいりません。
以上、この記事では生理が遅れたり周期が乱れる「生理不順」の原因について解説しました。生理不順の改善方法については「生理不順の原因と改善するための3つの方法」で解説しているので、よければご覧ください。