温泉旅行やプール、海水浴などの楽しい予定と生理が重なると、ガッカリしてしまいますよね。この記事では、「生理と重なりそうだな……」と思っている方向けに、そもそも生理中の入浴や水泳は大丈夫なのか、また対処法としてのタンポンや月経カップの使用、そしてピルによって生理をずらす方法を紹介します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
生理中でも温泉やプール、海に入って大丈夫?
入浴や水泳も問題はない
まず、生理中に入浴することは問題ありません。むしろ、入浴によって体が温まると血流が良くなるため、生理中にお腹や腰が痛くなる人にとっては効果的なこともあります。また、プールや海に入ることも問題ありません。
タンポンを使って、衛生面に気をつけよう
ただし、生理中の入浴や水泳で気をつけたいのは衛生面です。例えば、家のお風呂であれば、自分ひとりのためにお湯を溜めたり、家族やパートナーと一緒に住んでいる場合は最後に入浴することで、衛生面の心配は防げます。
一方で、温泉やプールなど公共の場で他の人もいるようなときは衛生面に気をつける必要があります。ですから、必ずタンポンを使用するようにしましょう。
タンポンを使用しないのはNG
もしかすると、「水中では水圧によって経血が出てこない」と聞いたことがあるかもしれません。たしかに、自宅でお風呂に入るときも、入浴中は水圧によって経血が腟から出てこないことが多いです。
しかし、水中から出れば水圧も無くなるため、腟から経血が漏れることがあります。温泉やプール、海から上がった後に経血が漏れてしまうと困りますよね。
ですから、タンポンを使って経血の漏れを防ぐことが大切です。
タンポンについて
タンポンは経血を吸収できる生理用品
温泉やプール、海に行く日と生理が重なってしまうのであれば、タンポンを使用しましょう。
タンポンは、経血を吸収する小さな筒型の生理用品で、腟の中に挿入して使います。子宮から流れ出た経血をすぐに吸収してくれるので、腟から経血が漏れる心配はありません。
なるべくこまめに交換しよう
入浴や水泳をしていると、お湯や水が腟の中にしみ込むように感じることがあります。腟内を清潔に保つためにも、入浴後や水泳後はタンポンを抜き取り、新しいナプキンと交換するようにしましょう。
早めに準備しておこう
生理の予定を早めにチェックしておけば、事前にタンポンを準備できるので安心です。
「生理がいつくるのか、わからない」という方は、生理管理アプリを使ってみましょう。例えば産婦人科医監修の生理管理アプリのケアミーは、生理がきた日を登録しておけば、次の生理予定日が表示されます。
ケアミーはアプリ容量が軽く、また無料&会員登録なしでも使いはじめられます。ぜひ一度、ダウンロードしてお試しください。
よくある質問
「痛くないの?」「何歳から使えるの?」とよく質問があるのですが、正しい使い方をすれば痛みや違和感を感じることなく使用できます。また初潮を迎えていれば何歳でも問題はありません。
ただし、まだ初潮を迎えて間もない小学生や中学生など使い方が不安な方は、保護者の方に相談して使うと良いでしょう。
タンポンについて詳しくは、ユニチャームのサイトで解説されています。気になる方はチェックしてみてください。
月経カップも選択肢のひとつ
経血を受け止める「月経カップ」
タンポンと同様に、生理中の温泉やプール、海などのシーンで役立つ生理用品が「月経カップ」です。
月経カップは、タンポンのように腟内に挿入するシリコン状の小さなカップで、排泄される経血をカップが受け止めてくれます。
「え?そんなの腟に入るの?」と思うかもしれませんが、以下の画像のように小さくたたんでから挿入し、腟の中でカップが開く仕組みなので、慣れると簡単に使用することができます。
タンポンと同じように、月経カップも4時間から8時間程度は取り替えずに使用できます。ですから温泉はもちろん、プールや海に遊びにいくときもこまめな交換は必要ありません。
詳しくは「月経カップはムレない、漏れない、臭わない!?月経カップの使い方やメリット」で解説しているのでご覧ください。
さて、ここまで生理中に温泉やプール、海に入るときの対処法を説明しました。あいにく生理日と予定が重なってしまっても、衛生面に気をつけながらタンポンや月経カップを使用すれば問題ありません。
ただ、楽しい予定と生理期間が重なると、ストレスに感じてしまいますよね。そこで、最後に生理予定日をずらす方法を紹介します。
生理をずらす方法
ピルは生理がくる日をずらせる
「生理ってずらせるの?」と思ったかもしれません。婦人科で処方してもらうピルを服用すれば、生理がくる日を遅らせたり早めたりと、生理がくる日をずらすことは可能です。生理のずらし方は以下のとおり二つあります。
生理を遅らせる方法
生理を遅らせる場合は、生理が始まりそうな数日前から生理が来て欲しくない期間の最終日までピルを飲み続けます。ピルを飲み続けている間は生理は来ず、ピルを飲むのをやめると2、3日後に生理がくるという仕組みです。
ただし、人によってはピルの服用中は胸の張りや頭痛、吐き気などの副作用が出ることがあります。温泉旅行や海水浴などの期間中に副作用が出るのを避けたい方は、生理を早める方法を選んだ方が良いかもしれません。
生理を早める方法
生理を早めるには、「生理をずらしたい期間」の一つ前の生理期間中からピルを飲み始めます。ですから、温泉や海水浴に行く日が1~2ヶ月以上前に分かっていれば、生理を早めることができます。
早める場合は、前の生理期間中の3日目頃から10~14日間程度ピルを服用し、服用をやめたタイミングで生理を起こすことができます。
この場合は温泉や海水浴などの予定がある期間中にピルを飲む必要がないため、その期間中に副作用が起こる心配もありません。
このように、ピルを服用することによって、生理をずらすことができます。詳しくは「生理をずらしたい!生理を遅らせる、または早める方法を解説」で紹介しています。よければ、ご覧ください。
以上、生理中の温泉や海水浴、プールについて解説しました。衛生面に気をつけながらタンポンや月経カップを使用する、またはピルを服用して生理日をずらしてしまう、このような方法で楽しみな予定と生理が重なってしまいそうでも対処できます。タンポンや月経カップ、ピルは馴染みがない方も多いかもしれませんが、必要に応じて活用してみましょう。