ナプキンを交換するときに嫌な臭いがしたり、周りに臭いが漏れていないか心配になったりすることはありませんか?あの独特な「生理臭」がするのは、ナプキンについた経血が酸化して雑菌が繁殖することが主な原因です。この記事では生理の臭いを抑える対処法や対策グッズを紹介します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
- 臭い対策の基本はナプキンのこまめな交換
- 生理の臭い対策①ウェットシートを使う
- 生理の臭い対策②専用のソープで洗う
- 生理の臭い対策③臭いが漏れない月経カップ
- 生理の臭い対策④臭いの発生を抑えるタンポン
- 生理の臭い対策⑤脱毛やアンダーヘアのカット
- 生理の臭い対策⑥スカートなど蒸れにくい服装
- 生理期間以外でも臭いがするとき
臭い対策の基本はナプキンのこまめな交換
生理の臭いの原因は「雑菌の繁殖」
生理の嫌な臭いが発生する主な原因は、ナプキンについた血が空気に触れて酸化し、雑菌が繁殖することです。
経血が出てから、数十分〜数時間そのままにしておくと、鉄っぽいような、または酸っぱいような独特の嫌な臭いがするようになります。
ナプキンをこまめに交換しましょう
時間がたてばたつほど臭いは強くなりますから、臭いが気になる日はこまめにナプキンを交換しましょう。
経血量や臭いの程度には個人差があるため、適切な交換のタイミングの判断は難しいですが、ドロッと多めの量がでたと感じたタイミングや、ナプキン全体に経血が広がっているようであれば早めに交換してください。
経血量が多い日は1時間ぐらいのペースで交換してもいいかもしれません。
ただ、それだけでは臭い対策が不安な方も多いと思います。以下では、臭いの対処法を6つ紹介します。
生理の臭い対策①ウェットシートを使う
デリケートゾーン専用のウエットシート
ナプキンを交換するときに、デリケートゾーン専用のウェットシートを使用することで清潔に保ち、臭いを防ぐことができます。
トイレの「ビデ機能」で経血を洗い流しても良いですが、外出先のトイレのビデを使うのは抵抗のある方もいるかもしれません。そんなときには、ウエットシートが役立ちます。
肌に優しく、トイレに流せるタイプがおすすめ
ウエットシートはいくつか種類がありますが、デリケートゾーンに使うものなので肌への影響が少なく、またトイレに流せるタイプが人気です。
デザインや香りつきのものなどタイプも様々なので、好みや体質に合わせて選びましょう。
<人気商品>
・デリケートウェットシート(ブランド:ソフィ)
・イロハ インティメートシート(ブランド:iroha)
・ジャムウ・デリケートウェット(ブランド:ラブコスメ)
生理の臭い対策②専用のソープで洗う
デリケートゾーン専用のソープで洗う
デリケートゾーン用の低刺激なソープもあります。お風呂で洗うとき、デリケートゾーンに汚れを残してしまうと臭いの原因になります。しかし、刺激の強い石鹸で洗ったり、ゴシゴシ洗うのはデリケートゾーンにとって良くありません
。デリケートゾーン専用の低刺激なソープがあるので、臭いが気になる方は使ってみましょう。
<人気商品>
・ロリエ デリケート泡ウォッシュ(ブランド:ロリエ)
・イロハ インティメートウォッシュ フレッシュ(ブランド:イロハ )
・ウルラボディソープ (ブランド:ULULA)
生理の臭い対策③臭いが漏れない月経カップ
臭わない、ムレない「月経カップ」
月経カップを使うのも臭いの対処法の一つです。月経カップは腟内に装着して使う小さなシリコン製のカップで、排泄される経血を受け止めます。
月経カップは、ナプキンに比べて次のようなメリットがあります。
・臭いが発生しにくい
・ムレない
・温泉やプールに入ることができる
・運動をしても漏れたりする心配が少ない
・長時間使用できる(4~8時間)
腟の中に入れるとなると「違和感を感じるのでは?」と思うかもしれませんが、正しく使用すれば装着していることさえも忘れてしまうほど違和感を感じません。使い始めるまでは抵抗感のある方もいるかもしれませんが、一度使い始めるとナプキンにはもう戻れないという方もいます。
臭いの防止以外にもメリットがあるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
<人気商品>
・ドイツ製月経カップ メルーナ (ブランド:メルーナ)
・エヴァカップ (ブランド:INTEGRO)
・スーパージェニー(ブランド: INTEGRO)
生理の臭い対策④臭いの発生を抑えるタンポン
経血が空気に触れにくいタンポン
タンポンはナプキンに比べ、経血が空気に触れにくいため臭いの発生を抑えられます。また臭いだけでなく、蒸れや漏れなどの心配も軽減されるのでタンポンの使用は選択肢のひとつです。
長時間の使用には注意
しかし、タンポンはうっかり交換し忘れて、長時間そのまま放っておいてしまうことがあるので気をつけなければいけません。長時間使用したままにしていると、強い臭いが発生してしまうので注意しましょう。
また、タンポンの長時間の使用は「トキシックショック症候群」のリスクもあります。商品に添付されている説明書を読み、注意事項を守ってご使用ください。
生理の臭い対策⑤脱毛やアンダーヘアのカット
VIO脱毛やヘアカットはムレ対策になる
経血がアンダーヘアにつくとムレやすい状態になり、臭いも発生しがちです。ですからデリケートゾーンの「VIO脱毛」によってケアすることも選択肢の一つです。脱毛ではなく、短めにカットすることも臭いを防止する効果が期待できます。
生理の臭い対策⑥スカートなど蒸れにくい服装
ムレにくい服装を意識しよう
蒸れの防止として、スカートなど通気性の良い服装も良いでしょう。ピタッとしたジーンズなどは通気性が悪く、デリケートゾーンの蒸れの原因になります。
生理期間以外でも臭いがするとき
生理前の臭いの原因はおりもの?
生理前にデリケートゾーンから酸っぱい臭いがする場合、それは「おりもの」が原因だと考えられます。これは病気ではなく、おりものの性質として発生する臭いなので心配する必要はありません。
生理前は「黄体ホルモン」という女性ホルモンが増えることで、サラサラとしていたおりものが少し粘着質のある性質に変化します。それとあわせて、少し酸っぱい臭いがすることもあります。
対策としては、おりものシートを使い下着におりものが付かないようにし、そしてこまめにおりものシートを交換するようにしてみましょう。
腟の炎症が原因なこともある
生理期間以外で、デリケートゾーンからとても嫌な臭いがするときは、腟に炎症が起こっている可能性もあります。
「細菌性膣炎(さいきんせいちつえん)」と呼ばれる腟の炎症があります。これは、体調不良や疲れ、ストレスが溜まっていると腟内の自浄作用(細菌の侵入や増殖を防ぐ働き)が弱まることで起こる炎症です。
このような炎症が原因でキツイ臭いが発生することがあります。
もし心当たりがあれば、十分な睡眠をとって体と心を休ませたり、自分に合ったストレス解消法を見つけてリフレッシュするように意識してください。それでもずっと臭いがするようであれば、一度婦人科に相談しましょう。主に腟錠(腟に挿入する錠剤)などで治療します。
その他にも、性感染症などが原因で腟から異臭がするようになることもあります。こちら記事「おりものの臭いが気になる。臭いの原因や対処法、病気の可能性について」で詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。
以上、生理の臭いへの対処法を解説しました。大切なポイントは次のとおりです。
・ナプキンはこまめに交換する
・清潔に保つ(ウエットシートやソープ)
・ムレにくい工夫をする(月経カップ、タンポン、VIO脱毛、服装)
ナプキンのこまめな交換を心がけながら、紹介したオススメの対処法を試してみてください。また、もし生理期間以外で臭いが気になる場合は、腟の炎症や性感染症に心当たりがないかチェックしてみましょう。