「生理中は、避妊せずにセックスしても妊娠しない」と聞いたことはありませんか?実は、生理中に妊娠する確率は0%というわけではありません。この記事では、生理中でも妊娠する可能性がある理由と、潜んでいるリスクを解説します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
生理中でも妊娠の可能性はある
生理中でも妊娠する理由
「生理中は、避妊しなくても妊娠しない」というイメージを持っている人は多いかもしれません。
しかし、生理中でも妊娠する可能性はあります。それは、生理後の排卵が起こる日まで、精子が腟や子宮内で生き残る可能性があるからです。
精子は腟内で射精された後、3〜5日間は生き残ることができます。生理から排卵日までの期間が短いと、腟や子宮内で生き残っている精子が卵子と受精してしまう可能性があるのです。
以下では、生理中のセックスで妊娠するのはどのような場合なのか、具体的に説明します。
妊娠の可能性が低いケース
排卵日まで精子が生き残れないケース
例えば、いつも生理周期の長さは28日で、経血が出るのは5日間だとします。排卵が起こるタイミングの目安は「生理予定日の14日前頃」なので、もし1月1日に生理が来たとすると、生理と排卵のタイミングは以下のようになります。
<生理周期が28日間のケース>
生理がはじまった日 :1月1日
生理が終わる日 :1月5日
排卵日の目安 :1月15日
次の生理予定日 :1月29日
生理周期が28日間の人が、生理期間の最後の日(=1月5日)に避妊せずセックスをするとどうなるのでしょうか。
精子が生き残れる期間(3〜5日間)を考えると、精子が卵子を待ち伏せできるのは1月8日〜10日目頃まででしょう。ですから、排卵が起こる前に精子の受精能力はなくなり、妊娠の可能性は低いといえます。
妊娠の可能性があるケース
排卵日まで精子が生き残るケース
しかし、生理周期が22日、経血が出る期間が6日間だとすると状況が変わります。生理周期が短くなると、生理と排卵の間隔が狭くなるからです。
1月1日に生理が来たとすると、生理と排卵のタイミングは以下のようになります。
<生理周期が22日間のケース>
生理がはじまった日 :1月1日
生理が終わる日 :1月6日
排卵日の目安 :1月9日
次の生理予定日 :1月23日
この場合、生理期間の最後の日(=1月6日)に避妊せずセックスをすると、精子が3日後の排卵日(1月9日)まで生き残っている可能性があります。
排卵が起こるタイミングで受精能力のある精子が残っていて、妊娠する可能性があります。
妊娠の可能性が高い日がわかるアプリ
生理周期の長さから次の生理予定日や排卵日のタイミングを計算することで、ある程度妊娠の可能性が高い期間を知ることができます。
ただ、こうした計算をするには少し面倒だと思います。そんな方におすすめなのは生理管理アプリです。
たとえば、生理管理アプリのケアミーを使えば、生理日を記録しておくだけで排卵しそうな日(排卵予定日)が表示されます。
アプリを開けばすぐにカレンダーが表示され、パッとチェックできるので計算する必要もありません。
ケアミーは産婦人科医監修の安心できるアプリで、アプリ容量は軽く、また会員登録なしでも使いはじめられます。ぜひ一度、ダウンロードしてチェックしてみてください。
生理中のセックスは気をつけよう
排卵のタイミングはズレることがある
以上、生理中でも妊娠の可能性がある理由、そして、どのようなケースでは妊娠の可能性があるのか解説しました。
覚えておきたいことは、たとえ生理周期がいつも28日であっても安心はできないということです。
生理周期や排卵のタイミングは、ストレスなどによって女性ホルモンのバランスが乱れることで変化します。
「自分は毎回28日間隔できっちり生理が来るから、生理中のセックスで妊娠することはないだろう」と決め込むことは禁物です。生理中でも、妊娠の可能性はあるためしっかりと避妊をするようにしましょう。
生理中のセックスは感染症にも注意
また、生理中のセックスは、感染症にかかりやすいというリスクもあります。腟内は細菌の繁殖などを防ぐために弱酸性に保たれていますが、生理中は経血の排泄で免疫力が下がるためです。
男性側も、性器と経血が接触することは衛生的に問題がないとは言えません。大切なパートナーと、お互いの体を守るためにも、生理中のセックスは避けたほうがよいでしょう。
以上、生理中のセックスで妊娠する可能性について解説しました。妊娠の可能性が高い日についてはこちらの記事「「危険日」や「安全日」っていつ?生理周期から計算する方法」でも解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。