生理予定日でもないのに出血する「不正出血」があると、少し心配になりますよね。また、不正出血が茶色いと、何か病気が隠れていないか不安になる方も多いようです。この記事では、不正出血がでる原因や、茶色い不正出血は大丈夫なのか、病気の可能性はあるのか、そんな疑問にお答えします。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
不正出血は茶色でも大丈夫
不正出血が茶色でも病気とは関係ない
不正出血が茶色っぽいと、何か異常があるのではないかと心配に思う方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、不正出血の色は病気には直接的には関係しません。生理と同じような鮮やかな赤色もあれば、茶色であることもあります。
では、茶色い血はどうして出てくるのでしょう?その原因を説明します。
不正出血が茶色い原因は「時間の経過」
時間が経つと、茶色くなる
血液は時間が経つにつれて、酸化して赤色から茶色に変化します。不正出血の多くは、ホルモンバランスの変化が原因で子宮内膜(子宮の内側の膜)が十分に厚くなる前に剥がれることで起こります。このとき、血の量が少なく、子宮や腟をつたって出てくるまでに時間がかかると、血液の色が茶色く変化することがあります。
つまり「茶色い不正出血 = 出血はごく少量で、出てくるまでに時間がかかった」ということです。また、鮮やかな色の場合よりも、不正出血の原因として何かの病気である可能性は低いです。
どんな不正出血は心配すべき?
不正出血は大きく分けて2種類ある
そもそも不正出血は、大きく以下の2種類に分けられます。
1)機能性出血:ホルモンの分泌が原因の出血
2)器質性出血:子宮や腟の器質的な疾患が原因の出血
気になるのは「私の不正出血は、いったいどっちなの?」ということですよね。
自分で判断するのは難しい
残念ながら、ホルモンの分泌が原因の「機能性出血」なのか子宮や腟の器質的な疾患が原因の「器質性出血」なのかを自分で判断することは難しいです。
機能性出血の場合は大きな心配はいらないことが多いのですが、不正出血が2~3周期続いたり、1週間以上も出血したり、出血の量が生理よりも多いときは何か異常があることが考えられます。そのような場合には、決して放置せずに、早めに婦人科に相談することをおすすめします。
不正出血の原因については「不正出血の原因は?ストレスのせい?不正出血の種類と病院に行く目安」で詳しく解説しているので、よければご覧ください。
以上、茶色い不正出血について解説しました。茶色い不正出血は「出血はごく少量で、出てくるまでに時間がかかった」ということなので、あまり心配はしなくて大丈夫です。繰り返しになりますが、毎回のように不正出血が出たり、出血期間が長い、また量が多いなどの異常を感じるときは婦人科に相談しましょう。
婦人科の選び方は「どこに行けばいいの?婦人科を選ぶときの3つのポイント」で解説しています。よければ、あわせてご覧ください。