生理中にお酒を飲むと、体に悪影響はあるのでしょうか?飲み会の予定と生理日が重なってしまうと、心配になる方もいるかもしれません。特に、鎮痛剤などの薬を服用している方はお酒との飲み合わせに問題がないかも心配になる思います。この記事では、生理とお酒の関係について気になるポイントを解説します。
この記事の監修医師
産婦人科専門医 月花瑶子
北里大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター、愛育病院での勤務を経て、現在は都内の不妊専門クリニックに勤務。産婦人科専門医の資格を持つ。臨床医として働きながら、生殖に関わるヘルスケアの知識を社会に広める啓蒙活動も行う。監修書籍「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)
生理中のお酒は酔いやすい
生理中のお酒は少し注意
まず気をつけたいポイントは、生理中の飲酒は酔いやすいということです。
生理中は経血が出ることで体内の鉄分が少なくなり「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる貧血になりやすいです。貧血になると心拍数も高くなりがちなので、アルコールは回りやすくなります。
酔いすぎないような工夫がポイント
かと言って、生理中に禁酒する必要はありません。飲みすぎないように適度に楽しむ程度であれば問題ないでしょう。酔いすぎないように、お水を挟みながらお酒を飲むなどの工夫も大切です。
生理中のお酒は生理痛がひどくなる?
適度の飲酒であれば大丈夫
生理中にお酒を飲むと、生理痛などの症状は悪化するのではないかと心配になる人もいるかもしれません。個人差はありますが、適度に飲む程度であれば、生理に伴う症状が悪化することはないでしょう。
冷たいお酒によるカラダの冷えに注意
ただし、大量にアルコールを摂ったり、ビールなど冷たい飲み物を飲みすぎると体が冷えてしまって生理痛が悪化する方もいます。ただでさえ生理中は体を休ませてあげたい時期ですから、あまり無理をしない程度にお酒を楽しむようにしてください。
また、生理前に不調が現れるPMS(月経前症候群)や、生理中のひどい生理痛などで悩む月経困難症をお持ちの方は、それぞれの時期は飲酒は気をつけるようにしてください。
生理中の鎮痛剤やピルとの飲み合わせは大丈夫?
鎮痛剤とお酒の飲み合わせ
生理中は鎮痛剤を服用する方も多いでしょう。鎮痛剤にもよりますが、お酒との飲み合わせはあまり体に良くないと考えられます。
薬の成分によって胃や肝臓に負担をかけている中、アルコールによってさらに負担をかけてしまうと胃や肝臓に炎症を起こす可能性があるからです。鎮痛剤を飲んでいる日は、飲酒は避けるようにしましょう。
ピルとお酒の飲み合わせ
ピルを服用中の方はお酒を飲んで大丈夫か心配になるかもしれませんが、ピルを服用中でも、飲酒は問題ありません。
女性の体は男性よりも酔いやすいので注意
そもそも女性の体は男性に比べて酔いやすいということも覚えておきましょう。
酔いやすい理由1)肝臓の大きさ
アルコールは肝臓の働きによって分解されます。女性は男性よりも体の大きさが小さく、そのため肝臓の大きさも小さいことが多いため、アルコールの分解に時間がかかります。
酔いやすい理由2)脂肪の多さ
血管内に吸収されたアルコールは全身へ運ばれ、各器官の水分に溶け込みます。そして、女性は男性よりも体脂肪が多く、体の水分量が少ない傾向にあります。ですから、女性は血中のアルコール濃度が高くなりやすいのです。
酔いやすい理由3)女性ホルモンの影響
女性ホルモンのエストロゲンは、アルコールを分解する酵素(*1)の働きを阻害します。そのため、男性よりも女性の方が酔いやすい傾向にあります。
以上、生理とお酒の関係について解説しました。誰かをお酒を飲むことは楽しいですし、ストレス解消にもなります。ただし、生理前や生理中の飲酒は、適度を超えると生理痛などの症状が悪化することもあります。女性は男性よりも酔いやすい仕組みになっているという点にも気をつけながら、お酒を楽しむようにしてください。